『ないモノねだり』
2002年1月7日何処かにあると信じて。
いつか手にいれることができるかもしれないと、信じて。
みんなが持ってて、だからあたしも欲しいと
思ったモノ。
きっと手に入れたら幸せになれるんだと、思った。
みんなみたいに。
一生懸命欲しがったら、ある日
ソレはすんなりとあたしの手に入りかけた。
あまりにもすんなりと、当然のように。
でも、ソレが手に入る瞬間、あたしは
ソレがあたしには必要じゃないことを悟った。
手に入りかけて初めて、やはりあたしには
必要のないモノだったと気付く。
「うん」
と頷くだけでソレは今すぐに手に入ったのに
あたしはどうしても頷くことができなかった。
どうしても。
どうしても。
あたしには必要なかった。
ただそれだけのことだった。
追いかけてる時は、すごく欲しいと思った。
手に入るなら何でもしようと思うくらいに。
あんなに大切なモノだと感じたのに、
手に入る瞬間、ソレは何の魅力もないむしろ
イラナイ存在にさえなった。
『ないモノねだり』
そうして
あたしは自分というものを、また少し知って。
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